突然「PMPを取っておくように」と指示されてる方を時々見かけます。右も左もわからない、そんな方むけに、PMPというのは何か、ものすごくざっくりと取得方法をご紹介します。
なお、意図的に細かい説明を端折っているので、正確な記載は、PMP試験を主催するPMIという団体が発行するガイドブックを見てくださいね。
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pdf/PMP_Handbook_21Jun2017_JapaneseTranslation_Aug2017.pdf
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はじめに:PMPとは何か?
Project Management Professionalというプロジェクトマネジメントの専門資格です。これをもっていると「経験と知識があるプロのプロジェクトマネージャー」と見なしてもらえます。国際資格なので、日本以外でも通じます。
受験資格を確認する
PMPは誰もが受けられる試験ではなくて、一定の実務経験がある人が受験対象です。
最終学歴によって、必要な実務経験が異なります。
- 大卒→3年間・4500時間のプロマネ経験
- 大卒以外(専門・高専・高卒など)→5年間・7,500時間のプロマネ経験
研修を受ける
次にしかるべき研修を受講する必要があります。PMP試験を主催するPMIが公認していた研修を35時間以上受講します。高いと20万円以上、安いとe-learningで4万円くらいで受けられます。業務で受けさせてもらえる人もいるでしょう。
申し込み準備をする
学歴と経歴と研修、この3つが揃ったら、試験に申し込みができます。
申し込みは、www.pmi.orgという、英語のサイト上で行います。PMIという組織には各国に支部があって、PMI日本支部のサイトもあるけれど、申し込みは本部の英語サイトからのみ。ここで少なからぬ人が挫折します。日本支部のサイトにある案内を良く見て申し込みましょう。
申し込むにあたって、まずPMIのサイトにアカウントを作成します。そうすると、「PMI会員」になるかを聞かれます。PMPを受験するには、PMIのアカウントが必要だけど、PMI会員になる必要はありません。ただし、受験料が割引になるので、1年だけ会員になった方がお得です。さらに同時に「PMI日本支部の会員になるか」も聞かれます。会員同士交流したい方は会員になりましょう。ならなくても不利益は何もないです。
試験に申し込む
会員になったら、PMP試験の申請手続きをします。全てウェブ上でやります。
PMIのサイトには、CAPMとかPgPMとか似たような名前の試験がいっぱいあります。かならずProject Management Professional (PMP)に申し込むようにしましょう。
そのあと、PMPの試験に申し込むため、以下の内容をオンラインフォームに記入します。
- 個人情報
- 学歴
- 受講した研修
- 経歴
最後の「経歴」がくせもので、英語で自分の関わったプロジェクトの説明をします。ちょっとした英作文をしないといけません。当サイトでは有償の支援サービスを提供しているので、困った場合は頼ってください。
記載内容は全て自己申告だけど、後日上司の確認が必要になることがあるので、くれぐれも嘘は書かないようにしましょう。
申請書提出と支払い
記入が終わったら、申請書をウェブで提出します。5日ほどで内容が確認されて、問題なければ受理しました、という連絡がきます。受験料の支払いを行います。PMI会員になっていると405ドル(日本のクレジットカードで支払えます)で、会員になっていないと555ドルです。(PMIの会費が125ドルなので、会員になった方が残念ながら安いです)
運が悪いと監査される
内容が不十分だったりすると、申請が却下されて、再度書き直して申請しなおすこともあります。また、PMIはランダムに「監査(Audit)」という手続きを行なっていて、1割くらいの受験希望者には追加の手続きを要求します。この監査に運悪く選ばれた場合、アメリカにあるPMIに、卒業証明書・研修受講証明書・上司の署名(この人の経歴は正しい、という証明)を郵送して、自分が嘘をついていないことを証明しないといけません。
監査にパスすると、やはり支払い手続きにうつります。
試験日を予約して、受験
支払いが終わったら、試験日程を決めます。IPA(情報技術者試験)と違って、コンピューターを使って受ける試験です。決まった会場(日本には数カ所しかない。関東近郊だと御茶ノ水)で毎日数回開催されているので、試験日を自分で選びます。
試験当日は身分証明書を持参して、セキュリティチェックをうけたらブースで4時間ぶっつづけで受験をします。試験は200問の4択です。絶対評価なので6割正解すれば合格です。
全問回答したら、早めに試験を終了させて帰ることもできます。時間いっぱい使っても、早めに終わっても、退出する前に受験していたパソコンに結果が表示されます。合格すると数週間後に証明書が届きます。PMIの自分のページでもPDF版が入手できます。
運悪く不合格だった場合、再受験料を支払えばまた受験できますが、3回失敗すると、1年間の待機期間を申し渡され、最終受験日から1年は再受験できなくなります。
合格したら、席に合格証明書を飾り、会社の名刺にPMPの文字を入れるべく再発注をかけ、合格報奨金を申請しちゃいましょう。(あれば、の話ですけども)
というわけで、PMP試験がどんなものか、イメージついたでしょうか?
試験自体の合格率は6割程度といわれていますが、申請の大変さに受験にたどり着ける人が限られているという特徴がありますよ。くじけず、受けてくださいね。