PMP試験を勉強するような方の中には、英語も上達したいと思っている方も少なからずいると思っています。そんな方向けに、ものすごくざっくりとした英語の上達法をご紹介します。

私は2年間アメリカで働いた結果、日本人にしては英語ペラペラになりました。留学や海外転勤、あるいは国際会議や海外拠点とのやりとりで英語を使うようになる方で、どうやれば英語がペラペラになるか、悩んでいる方に贈ります。

はじめに:私の英語遍歴

私は帰国子女ではなく、生まれてから社会人になるまで、ずっと日本で過ごしました。初の海外旅行は23歳のときでした。幸運にも32歳のときに勤務先で1年間アメリカで勉強(実務研修)してくる機会をもらいました。帰国して、TOEICを受けたら960というスコアを稼ぎ出しました。1年間また日本で働いたのち、そのあと再渡米し、2年間アメリカの会社で働いていました。

ビジネスレベルの英語、具体的にはTOEIC満点近い英語力をマスターするまで、どんなことをすればいいか、自分の経験を振り返りながら、ご紹介していきましょう。

1:義務教育の英語は完璧にする
2:とにかく聴く、読む
3:繰り返し音読する
4:書く、書く、書く
5:英会話スクールで発音を習う
6:英語しか喋らない環境に身を置く

順番に、詳しくみていきます。

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1:義務教育の英語は完璧にする

「これまであんまり勉強してこなかったけれど、楽して英語を上達したい!」という方には酷なアドバイスになります。私は高校(昔は進学校だったらしい公立高校)卒業まで、英語は手抜き・脱落せずにしっかり勉強していました。成績は5段階で4〜5でした。予備校などで受験勉強はしていなかったため、大学受験はうまくいかず、浪人してしまいました。そのかわり、1年間みっちり受験勉強した結果、大学入試前の英語の偏差値は65〜70くらいありました。(うろ覚え)

海外に行かずとも、その後英語が比較的得意だったのは、英文法や基本的な単語をみっちり理解した、このときの経験が効いています。

そんなわけで、私のアドバイスとしては、英語をこれまでちゃんと勉強してこなかった方は、中学英語からやり直すべきです。高校になると、ちょっと凝り過ぎた構文とかでてくるので、中学英語を100%理解したら、単語・イディオムだけ高校英語から学ぶ、というので良いかもです。

「こんな表現ネイティブは使わないよ」とかいうのは一旦置いときましょう。

 

2:とにかく聴く、読む

2〜4は、1を進めるうえでも大事になってきます。
英語は読み・書き・聞き・喋りの4つの要素があります。当然ながら全部大事です。日本人は特に聞き・喋りが弱いので、ここは徹底して伸ばしましょう。

聴くのと読むのは受け身でできることです。質の高い反復と、たくさんの量に触れる、2つのアプローチが両方必要です。

まずは質です。いくつかの文章を暗記できるまで読み・聞きしましょう。

私が勉強していた20年前の場合だと、短い文章が乗っているZ会の「速読英単語」という参考書についてくるCDを何度もなんども、暗記するまで聞きました。目で見て、音でも理解できるようになりました。(これは、音読することも大事です)

ただ、いつまでも同じところをグルグルまわっていても良くないので、毎日一定量の、新しい英語を聞きましょう。ラジオとかポッドキャストとかがいいです。映画はスラングが多かったりセリフが少ないのでおすすめしません。

また、英字新聞、英語のネットメディアなどで、毎日必ず読んだことのない英文を読みましょう。
初めは「なんて言ったかわからなかったな、なんて書いてあるかよくわからないな」で構いません。90%理解できてなかったらそれは少し難しすぎる内容なので、やや簡単なものに変えましょう。自分が日本語でメチャクチャ詳しいジャンルだったら英語になっても多少はついていけるはずです。(日本のニュースの英語版とか)

 

3:繰り返し音読する

聞いたり読んだりするだけだと、どうしても限界があります。自分の耳も使いましょう。
2番のなかで繰り返し読み聞きした文章を、自分で声に出して音読しましょう。恥ずかしがっていたら上達しません。自分の部屋や、誰もいない帰り道などで、音読してみましょう。CDの人と同じような喋り方・スピードで言えるようになったら最高です。慣れてきたら、イアフォンで音読を聞きながら、同時に音読してみましょう。ネイティブのスピード、発音、アクセント、リズムにあわせて英語が口から出るようになったら完璧です。

 

4:書く、書く、書く

文法と単語を知っていれば、たいていのことは文章にできるはずです。英語で文章を書きましょう。

もし、何も思いつかない場合は、まずは書き写して見ましょう。少しずつ慣れてきたら、書き写す際に、自分なりのアレンジを加えて見ましょう。

かけるようになったらオリジナルの文章を考えて書きましょう。日記でもいいです。外国人の知り合いに向けてfacebookで英文投稿してもいいです。長い文章でも、短い文章でもいいです。何が自然で何が不自然か、書きながら考える習慣を身につけましょう。

 

5:英会話スクールで発音を習う

英会話スクールの効果は懐疑的だけど、発音を矯正してもらって、相手の英語を聞き取る力を高めるためには有効です。

私はアメリカに1年間行った際に、アメリカにある英会話教室に通いました。結局は実践あるのみなので、あまり意味がないと思いきや、かなり初歩的なところでつまずいていたことが、講師とのやりとりで指摘されたので、通ってよかったです。英会話教室に通うべき目的は、発音の矯正です。

私の場合、RとLの発音がまったく区別できていなかった(日本人にありがち)と言われ、3ヶ月のレッスンの6割以上を発音の矯正に費やしました。「もっと実践的な会話練習がしたい…」と憮然としながらやっていたのだけど、正確に発音できていないということは、相手の英語を正確に聞けていないことだ、と指摘されて目が覚めました。

週に1-2回、1回あたり1時間でいいので、2ヶ月くらいプロに発音をチェックしてもらいましょう。

グループレッスンは避けてください。クラスメイトの下手な英語を聴く時間が勿体無いです。

オンラインの英会話も有効かもしれないけれど、あんまり格安なところを選ぶと、訛りがひどかったりするので、価格より品質を重視して選んでください。短期間で良いです。

 

6:英語しか喋らない環境に身を置く

最後はこれしかないです。帰国子女とかが英語喋れるのは、結局英語を使う環境にずっといたからです。ただ、文法も一切知らずに英語圏に身を埋めると、ちゃんとした英語が喋れなくなるリスクがあります。特にスラングばっかり喋る人と一緒の環境に行く場合は要注意です。

もし職場で日本語の非ネイティブに「ちょっと、お前、マジこれすごいっすから、資料みといてや〜」と話しかけられ、「日本語を覚えてくれたのは好印象だけど、その言い方はダメだろ」と思いますよね。ビジネスで外国語を学ぶのは、現地のスラングを学んで現地っぽく喋るのとは別だと心得ておきましょう。

というわけで英語圏に行く場合も、基本の1〜5は忘れずにおいてください。特に1の基本的な文法。

なお、海外在住経験が長いのに英語喋れない、という人も良く見ます。海外駐在員でも、結構日本人同士で固まったりして、ほとんど日本語でしかコミュニケーションをとっていないとそうなっちゃいます。
私も、子どもとは日本語で話すと決めていたので、アメリカに2年いたときも、家に帰ったら完全に日本語の生活になってしまっていたので、英語の伸びは頭打ちになっていた感覚があります。(9時〜5時で英語喋って、そのあとは日本語に戻ってしまう)

意識して海外では現地人とコミュニケーションして、職場外でも現地のコミュニティに所属するようにしましょう。スピーチの勉強会であるToastmastersとかは各地に支部があって、「意識の高い現地人」が集まるので、切磋琢磨するにはおすすめです。

 

まとめ

というわけで、英語が上達するには、めちゃくちゃやることが多いです。
一朝一夕で伸ばすなんて絶対無理だし、結局一番伸びるのは現地に飛び込む(放り込まれる)ときなので、日々頑張ってください。

 

同じような境遇にいた私の友人たちの間では、しばらく頑張るとちょっと伸びるけど、そこで伸び悩みを感じて、そこでもがくと再びブレイクスルーがあってまた伸びる、と言われていました。色々できることが多くなるので楽しいけれども、時に辛く苦しい道のりです。朗報としては、土台作りと継続した努力は絶対に裏切りらなかったという実感があるので、頑張ってください。

 

機会があればTOEICの点数アップのための勉強法も紹介しますが、大筋はこれと同じです。
中学英語のマスター、黙読・音読・聴くを繰り返して英語に慣れる、未知の文章を聴く・読む経験を増やす、これを繰り返して、あとは問題集をやり込めば、TOEICスコアは伸びて来ます。